〜尾花がもとの〜
ナンバンギセル(思い草)
はまうつぼ科
丘陵や山地のススキの草原で,他の植物の栄養をもらって育つ一年草。万葉集では「道の辺の尾花がもとの思ひ草今さらさらになにか思はむ」(巻十)と詠われているように少し寂しげにうつむいて,物思いにふけっているような姿に見えます。
8 月下旬から9 月にススキなどの根元でひっそりと咲いているので,あまり目につかない植物です。葉緑体組織がなく寄生していますが,筒状の花弁がとてもきれいで美しい植物です。尾花のもとで自己主張している「思い草」です。